第38回 白金観察会 初秋の自然教育園で、花や生き物、受粉や種子散布について観察しよう!
開催日:2022年9月25日(日) 9:30~11:30
国立科学博物館附属 自然教育園 天候:晴れ
参加者:大人20名, 子供15名
9月末にもかかわらず、まだまだ暑さが厳しい中、自然教育園での初めての観察会に臨んだ。
私たちの班は、親子連れ3組。子供たちは皆チョウが好きな女の子だった。チョウだけではない。序盤はクモが多く、イモムシ、バッタ、カマキリ、次から次へと新しい虫が出てきても全く物怖じしない。最年少の女の子が、苦虫をかみつぶしたような顔をしながらも、周りのお姉さん達に負けじと近づいてくるのがほほえましかった。
私はといえば、植物の名前を勉強しに何回も通った場所ではあるが、子どもたちが興味を持ってくれそうな虫たちはからっきし分からない。時々、草やキノコに関して聞いてくれる女の子がいたが、大体の質問が「これ食べられる?」でまとめられて、とてもとても、テーマにあるような受粉や種子散布にはたどり着かなかった。個人としては勉強不足の感がぬぐえなかったが、参加してくれた女の子たちは皆、楽しんでくれたようでホッとした。
男の子が拾ったどんぐりに小さな穴が空いています。虫が入った穴だ!振るとカラカラと音がするんだって!と女の子。でも振っても音はしません。そこでナイフで割って中を見ることに。皮の中から白い種が現れると歓声があがり、種の湿り気にも驚きの言葉が出ました。種に付いていた小さな白い玉は虫の卵か幼虫と考え、次のどんぐりが空洞だったのは虫が種を食べたと考えました。
数枚の木の葉が不自然に重なっています。よく見ると白い糸で綴られていて、中にはイオウイロハシリグモの♀と子と卵嚢が。このクモには巣は無いの?と問いかけて、他の個体も調べることにしました。
次の♀は草の葉を糸で曲げて卵嚢を包み、子の近くにいます。巣はありません。二頭の観察から本種は巣を持たず、♀が植物を加工した所に卵嚢を留めて子を守っていると考えました。
何かを不思議に思ったら、他の個体も探し、比べ、考える観察ができて良かったです。